目次
![]() |
警告 |
---|---|
本章は、2013年にリリースされた Debian 7.0 ( |
Debian システム上の X Window システムは X.Org 由来のソースに基づいています。
インストールを簡略化するための (メタ)パッケージが少々あります。
表7.1 X Window のためのキーとなる (メタ)パッケージのリスト
(メタ)パッケージ | ポプコン | サイズ | 説明 |
---|---|---|---|
xorg
|
I:500 | 52 | X ライブラリー、X サーバー、フォントセット、基本的な X クライアントとユーティリティーの集合 (メタパッケージ) |
xserver-xorg
|
V:83, I:538 | 238 | X サーバーのフルスイーツとその設定 |
xbase-clients
|
I:38 | 46 | X クライアントの雑多な集合 (メタパッケージ) |
x11-common
|
V:424, I:792 | 305 | X Window システムのためのファイルシステムインフラ |
xorg-docs
|
I:7 | 2032 | X.Org ソフトウエアースイーツの雑多な文書 |
menu
|
V:73, I:246 | 1435 | メニューに対応しているアプリケーションに関して Debian メニューを生成 |
menu-xdg
|
V:35, I:129 | 27 | Debian メニュー構造を freedesktop.org の xdg メニュー構造に変換 |
xdg-utils
|
V:260, I:559 | 327 | freedesktop.org によって提供される統合デスクトップ環境のためのユーティリティー |
task-gnome-desktop
|
I:202 | 6 | 標準の GNOME デスクトップ環境 (メタパッケージ) |
task-kde-desktop
|
I:69 | 6 | コアの KDE デスクトップ環境 (メタパッケージ) |
task-xfce-desktop
|
I:111 | 6 | Xfce 軽量デスクトップ環境 (メタパッケージ) |
task-lxde-desktop
|
I:44 | 6 | LXDE 軽量デスクトップ環境 (メタパッケージ) |
fluxbox
|
V:2, I:11 | 3860 | Fluxbox: 自由自在に設定可能でリソース消費が少ない X ウィンドウマネージャー |
X の基本に関しては、X(7) と the LDP XWindow-User-HOWTO を参照下さい。
デスクトップ環境は、通常 X ウィンドウマネージャーとファイルマネージャーと互換性あるユーティリティープログラムのスイートの組み合わせです。
GNOME や KDE や Xfce や LXDE 等の充実したデスクトップ環境を aptitude
のタスクメニューを使って設定できます。
![]() |
ヒント |
---|---|
タスクメニューは Debian の |
上記と違う方法として、Fluxbox 等の X ウィンドウマネージャーだけを使って簡単な環境を設定する事もできます。
X ウィンドウマネージャーやデスクトップ環境のガイドは X のためのウィンドウマネージャーを参照下さい。
Debian メニューシステムは
menu
パッケージの
update-menus(1)
を使って、テキストと X の両指向のプログラムに関して一般化されたインターフェースを提供します。各パッケージは
"/usr/share/menu/
"
ディレクトリーにメニューデーターをインストールします。"/usr/share/menu/README
"
を参照下さい。
Freedesktop.org の xdg メニューシステム対応の各パッケージは
"/usr/share/applications/
" の下の
"*.desktop
" で提供されるそのメニューデーターをインストールします。Freedesktop.org
スタンダード対応の現代的デスクトップ環境は xdg-utils
パッケージを使ってこれらのデーターからそれぞれのメニューを生成します。"/usr/share/doc/xdg-utils/README
"
を参照下さい。
GNOME や KDE のような Freedesktop.org
メニュー 準拠のウィンドーマネージャー環境から伝統的な Debian
メニューにアクセスするのには、menu-xdg
パッケージをインストールしなければいけません。
X Window システムはサーバーとクライアントのプログラムの組み合わせとして起動されます。ローカルとリモートと言う言葉に対応するサーバーとクライアントと言う言葉の意味に注意を払う必要があります。
表7.2 サーバー/クライアントの用語法のリスト
タイプ | 説明 |
---|---|
X サーバー | ユーザーのディスプレーや入力デバイスが接続されたローカルホスト上で実行されるプログラム。 |
X クライアント | データーを処理し X サーバーへ話しかけるリモートホスト上で実行されるプログラム。 |
アプリケーションサーバー | データーを処理しクライアントへ話しかけるリモートホスト上で実行されるプログラム。 |
アプリケーションクライアント | ユーザーのディスプレーや入力デバイスが接続されたローカルホスト上で実行されるプログラム。 |
最近の X サーバーは MIT 共有メモリー拡張 機能があり、ローカルの X クライアントとローカルの共有メモリーを使って通信します。これはネットワーク透過性の Xlib プロセス間通信チャンネルをバイパスし、大きなイメージを扱う際の性能が得られるようにしています。
X サーバーの情報は xorg(1) を参照下さい。
X サーバーの (再)設定は以下のようにします:
# dpkg-reconfigure --priority=low x11-common
![]() |
注記 |
---|---|
最近の Linux カーネルは DRM や KMS や udev
によりグラフィクスや入力デバイスを良好にサポートします。X サーバーはこれらを使うように書き換えられました。だから
" |
あなたのモニターのスペックに関して注意深く確認します。大きな高解像度の CRT モニターの場合、チラつきを軽減するためにモニターの許容する限りできるだけ高いリフレッシュレート (85 Hz なら十二分、75 Hz で十分) 設定することが望ましい。LCD モニターの場合、その低速反応性のためにより低速の標準リフレッシュレート (60 Hz) 設定で通常問題はありません。
![]() |
注記 |
---|---|
あなたのモニターシステムのハードウエアーを破壊するかもしれないので、高過ぎるリフレッシュレートを使わないように注意して下さい。 |
"X サーバー " (ディスプレー側) が"X クライアント" (アプリケーション側) からの接続を許可するようにするにはいくつかの方法があります。
表7.3 X サーバーへの接続方法のリスト
パッケージ | ポプコン | サイズ | ユーザー | 暗号化 | 方法 | 適切な用途 |
---|---|---|---|---|---|---|
xbase-clients
|
I:38 | 46 | 非確認 | いいえ | xhost コマンド
|
非推奨 |
xbase-clients
|
I:38 | 46 | 確認済み | いいえ | xauth コマンド
|
パイプ経由のローカル接続用 |
openssh-client
|
V:811, I:994 | 3545 | 確認済み | はい | ssh -X コマンド
|
リモートネットワーク接続用 |
gdm3
|
V:189, I:263 | 4791 | 確認済み | いいえ (XDMCP) | GNOME ディスプレーマネージャー | パイプ経由のローカル接続用 |
sddm
|
V:46, I:82 | 1830 | 確認済み | いいえ (XDMCP) | KDE ディスプレーマネージャー | パイプ経由のローカル接続用 |
xdm
|
V:3, I:7 | 665 | 確認済み | いいえ (XDMCP) | X ディスプレーマネージャー | パイプ経由のローカル接続用 |
wdm
|
V:80, I:433 | 2323 | 確認済み | いいえ (XDMCP) | WindowMaker ディスプレーマネージャー | パイプ経由のローカル接続用 |
ldm
|
V:0, I:1 | 414 | 確認済み | はい | LTSP ディスプレーマネージャー | リモート SSH ネットワーク接続用 (シンクライアント) |
![]() |
警告 |
---|---|
暗号手法を使っている等といった非常に良い理由無しには、X 接続のためにセキュアーされていないネットワーク経由のリモート TCP/IP 接続を使ってはいけません。暗号化無しのリモート
TCP/IP ソケット接続は盗聴の被害に会いやすく、Debian
システムではデフォールトで無効化されています。" |
![]() |
ヒント |
---|---|
LTSP は、Linux ターミナルサーバープロジェクトのことです。 |
X Window システムは X サーバーとそれに接続する X クライアントの組み合わせの X セッションとしてよく起動されます。通常のデスクトップ環境ではそれらの両方ともワークステーション上で実行されます。
X session は次のようにして起動されます。
コマンドラインからの startx
コマンド
"/etc/rc?.d/
" ディレクトリー ("?
" はランレベルに対応)
中の最後にある
起動スクリプトから起動される X
ディスプレーマネージャーデーモンプログラム *dm
の1つ
![]() |
ヒント |
---|---|
ディスプレーマネージャーデーモンの起動スクリプトは実際に実行される前に
" |
![]() |
ヒント |
---|---|
X ディスプレーマネージャーの初期環境変数に関しては、「X Window の下でのみ特定ロケール」を参照下さい。 |
本質的にこれらすべてのプログラムは "/etc/X11/Xsession
"
スクリプトを実行します。そうすることで、"/etc/X11/Xsession
"
スクリプトは、"/etc/X11/Xsession.d/
" ディレクトリー中のスクリプトを
run-parts(8)
風に実行します。これは本質的に次の順番で見つかる最初のプログラムを exec
builtin
コマンドで実行することです。
もし定義されていた場合には、X ディスプレーマネージャーにより "/etc/X11/Xsession
"
の引数として指定されたスクリプト。
もし定義されていた場合には、"~/.xsession
" か
"~/.Xsession
" スクリプト。
もし定義されていた場合には、"/usr/bin/x-session-manager
" コマンド。
もし定義されていた場合には、"/usr/bin/x-window-manager
" コマンド。
もし定義されていた場合には、"/usr/bin/x-terminal-emulator
" コマンド。
このプロセスは "/etc/X11/Xsession.options
" の内容に影響されます。これらの
"/usr/bin/x-*
" コマンドが指し示すプログラムが正確に何であるかは Debian の
alternative システムにより決定され、"update-alternatives --config
x-session-manager
" 等によって変更されます。
詳細は Xsession(5) 参照ください。
gdm3(1)
はメニューから X セッションのセッションのタイプ (デスクトップ環境: 「デスクトップ環境の設定」) とか、言語 (ロケール: 「ロケール」) を選択できるようにします。それは "~/.dmrc
"
の中に選択されたデフォールト値を次のように保存します。
[Desktop] Session=default Language=ja_JP.UTF-8
"/etc/X11/Xsession.options
" が、"#
"
文字が前に付いていない "allow-user-xsession
" と言う行を含んでいるシステム上では、誰でも
"~/.xsession
" か "~/.Xsession
"
を定義することでシステムコードを完全にオーバーライドして "/etc/X11/Xsession
"
の挙動をカスタム化できます。"~/.xsession
" ファイル中の最後のコマンドはあなたの最も好む X
window/ セッションマネージャーを起動するように "exec
some-window/session-manager
" という形式の使う必要があります。
もし当該機能が使われる場合、システムユーティリティーによるディスプレー(やログイン)マネージャー(DM)や、セッションマネージャーや、ウィンドーマネージャー(WM)の選択は無視されます。
上記のように完全にシステムコードをオーバーライドすること無しに X セッションをカスタム化する新方法を次に示します。
ディスプレーマネージャー gdm3
は特定のセッションを選択する事ができて、それを
"/etc/X11/Xsession
" の引数に設定できます。
"/etc/profile
" や "~/.profile
" や
"/etc/xprofile
" や "~/.xprofile
" ファイルが
gdm3
起動プロセスの一部として実行されます。
"~/.xsessionrc
" ファイルが起動プロセスの一部として実行されます。(デスクトップ非依存)
"#allow-user-xsession
" が
"/etc/X11/Xsession.options
" 中にあっても
"~/.xsessionrc
" ファイルの実行を妨げることはありません。
"~/.gnomerc
" ファイルが起動プロセスの一部として実行されます。(GNOME デスクトップのみ)
システムユーティリティーによるディスプレー(やログイン)マネージャー(DM)や、セッションマネージャーや、ウィンドーマネージャー(WM)の選択は尊重されます。
これらの設定ファイル中に "exec …
" や "exit
"
があってはいけません。
"ssh -X
" を使うことで、ローカルの X
サーバーからリモートのアプリケーションサーバーへのセキュアーな接続が可能となります。
コマンドラインオプション "-X
" を使わないでおくには、リモートホストの
"/etc/ssh/sshd_config
" 中の
"X11Forwarding
" エントリーを "yes
" と設定します。
ローカルホスト上の X サーバーの起動します。
ローカルホスト上で xterm
を開きます。
ssh(1) を実行してリモートサイトとの接続を次のように確立します。
localname @ localhost $ ssh -q -X loginname@remotehost.domain Password:
リモートホスト上の "gimp
" 等の X アプリケーションコマンドを次のように実行します。
loginname @ remotehost $ gimp &
ここに書かれた手法はリモート X クライアントがあたかもローカルの UNIX ドメインソケット経由でローカル接続されているかのようにして、リモート X クライアントからの出力を表示できるようにします。
2002年に、Fontconfig 2.0
がフォントアクセスの設定とカスタム化のためのディストリビューション非依存のライブラリーとして作られました。Debian
はsqueeze
以降 Fontconfig
2.0 だけをそのフォント設定に使います。
X Window システムのフォントサポートは次のように要約できます。
旧来の X サーバー側フォントサポートシステム
旧式バージョンの X クライアントアプリケーションとの下位互換性ためにオリジナルの中核 X11 フォントシステムが提供されています。
オリジナルの中核 X11 フォントは X サーバーにインストールされます。
現代的な X クライアント側フォントサポートシステム
現代的な X システムはこの後にリストされる (「基本的フォント」と「追加のフォント」と「CJK フォント」) 全てのフォントをアンチエリアシングなどの先進的機能とともにサポートします。
Xft 2.0 はGNOME や KDE や LibreOffice 由来等の現代的な X アプリケーションを FreeType 2.0 ライブラリーと結びつけます。
FreeType 2.0 はフォントのラスター化ライブラリーを提供します。
Fontconfig はXft 2.0 のためのフォント規定を提供します。その設定は fonts.conf(5) を参照下さい。
現代的な Xft 2.0 を使う X アプリケーションは現代的な X サーバーに X レンダリング拡張を使って話しかけます。
X レンダリング拡張はフォントアクセスとグリフイメージ生成を X サーバーから X クライアントに移動します。
表7.4 X Window フォントシステムをサポートするパッケージのテーブル
パッケージ | ポプコン | サイズ | 説明 |
---|---|---|---|
xfonts-utils
|
V:67, I:593 | 415 | X Window システムフォントユーティリティープログラム |
libxft2
|
V:102, I:712 | 122 | Xft、X アプリケーションと FreeType フォントラスター化ライブラリーをつなげるライブラリー |
libfreetype6
|
V:476, I:995 | 841 | FreeType 2.0 フォントラスター化ライブラリー |
fontconfig
|
V:395, I:832 | 575 | Fontconfig、汎用フォント設定ライブラリー — サポートバイナリー |
fontconfig-config
|
V:406, I:902 | 441 | Fontconfig、汎用フォント設定ライブラリー — 設定データー |
フォント設定情報は次のようにして確認できます。
中核 X11 フォントパスに関しては "xset q
"
fontconfig のフォントデフォールトに関しては "fc-match
"
fontconfig で利用可能なフォントに関しては "fc-list
"
![]() |
ヒント |
---|---|
"The Penguin and Unicode" は現代的な X Window システムの良い概論です。http://unifont.org/ にある他の文書も Unicode フォントや Unicode 化されたソフトや国際化や Unicode のフリー (英語で自由と無償という意味)/ リブレ (仏語等で自由の意味、無償という意味は無い)/ オープンソース (FLOSS) オペレーティングシステム上での使い勝手の問題に関する良い情報源です。 |
コンピューターフォントには大きくわけて2つのタイプがあります。
ビットマップフォント (低解像度のラスター化で良好)
アウトラインやストロークフォント (高解像度ラスター化で良好)
ビットマップフォントを拡大するとギザギザのイメージになってしまいますが、アウトラインやストロークフォント拡大するとスムーズなイメージになります。
Debian システム上のビットマップフォントは、".pcf.gz
" というファイル拡張子を持った圧縮された
X11 pcf
ビットマップフォントファイルとして提供されます。
Debian システム上のアウトラインフォントは次で提供されます。
".pfb
" (バイナリーフォントファイル) と ".afm
"
(フォントメトリクスファイル) というファイル拡張子を持った PostScript
Type 1 フォントファイル。
![]() |
ヒント |
---|---|
OpenType はTrueType と PostScript Type 1 の両方を置き換えることを目指しています。 |
表7.5 PostScript Type 1 フォントへの対応表
フォントパッケージ | ポプコン | サイズ | サンセリフフォント | セリフフォント | モノスペースフォント | フォントの起源 |
---|---|---|---|---|---|---|
PostScript | N/A | N/A | Helvetica | Times | Courier | Adobe |
gsfonts | I:677 | 4439 | Nimbus Sans L | Nimbus Roman No9 L | Nimbus Mono L | URW (Adobe 互換サイズ) |
gsfonts-x11 | I:109 | 95 | Nimbus Sans L | Nimbus Roman No9 L | Nimbus Mono L | PostScript Type 1 フォントでの X フォントサポート。 |
t1-cyrillic | I:22 | 4884 | Free Helvetian | Free Times | Free Courier | 拡張 URW (Adobe 互換サイズ) |
lmodern | I:130 | 33270 | LMSans* | LMRoman* | LMTypewriter* | Computer Modern (TeX 由来) に準拠したスケーラブルな PostScript と OpenType のフォント |
表7.6 TrueType フォントへの対応表
フォントパッケージ | ポプコン | サイズ | サンセリフフォント | セリフフォント | モノスペースフォント | フォントの起源 |
---|---|---|---|---|---|---|
ttf-mscorefonts-installer | V:1, I:77 | 92 | Arial | Times New Roman | Courier New | Microsoft (Adobe 互換サイズ) (これは non-free データーをインストールします) |
fonts-liberation | I:559 | 2093 | Liberation Sans | Liberation Serif | Liberation Mono | Liberation フォントプロジェクト (Microsoft 互換サイズ) |
fonts-freefont-ttf | V:44, I:345 | 10750 | FreeSans | FreeSerif | FreeMono | GNU freefont (Microsoft 互換サイズ) |
fonts-dejavu | I:513 | 39 | DejaVu Sans | DejaVu Serif | DejaVu Sans Mono | DejaVu、Unicode 対応 Bitstream Vera |
fonts-dejavu-core | V:306, I:796 | 2954 | DejaVu Sans | DejaVu Serif | DejaVu Sans Mono | DejaVu、Unicode 対応 Bitstream Vera (sans, sans-bold, serif, serif-bold, mono, mono-bold) |
fonts-dejavu-extra | I:543 | 7217 | N/A | N/A | N/A | DejaVu、Unicode 対応 Bitstream Vera (oblique, italic, bold-oblique, bold-italic, condensed) |
ttf-unifont | I:23 | 17654 | N/A | N/A | unifont | GNU Unifont、Unicode 5.1 基本多言語面 (BMP) 中の全印刷可能文字 |
![]() |
ヒント |
---|---|
DejaVu フォントは Bitstream Vera フォントに基づきそれを包含します。 |
aptitude(8) を使うと追加のフォントを簡単に見つけられます。
"Tasks" → "Localization" の下の短いパッケージ一覧
debtag への正規表現: "~Gmade-of::data:font
"
を使ってフォントデーターにフィルターされた平坦なパッケージ一覧
パッケージ名への正規表現: "~nxfonts-
" を使って BDF (ビットマップ)
フォントパッケージにフィルターされた平坦なパッケージ一覧
パッケージ名への正規表現: "~nttf-|~nfonts-
" を使って TrueType (アウトライン)
フォントパッケージにフィルターされた平坦なパッケージ一覧
フリーなフォントは限られていることがあるので、Debian ユーザーにとっていくつかの商用 TrueType フォントをインストールする選択肢があります。こういったことをユーザーが簡単しやすいようにいくつかの利便性のためのパッケージが作成されています。
mathematica-fonts
fonts-mscorefonts-installer
あなたのフリーなシステムを non-Free のフォントで汚染する事になるとはいえ、TrueType フォントの選択肢は非常に沢山あります。
CJK (中日韓)文字のフォントに焦点を当てキーポイントを記します。
表7.7 CJK フォント名中でフォントタイプを示すために使われるキーワード表
フォントタイプ | 日本語フォント名 | 中国語フォント名 | 韓国語フォント名 |
---|---|---|---|
サンセリフ | gothic, ゴチック | hei, gothic | dodum, gulim, gothic |
セリフ | mincho, 明朝 | song, ming | batang |
"P" の付いた "VL PGothic" のようなフォント名は、固定幅フォントの "VL Gothic" フォントに対応するプロポーショナルフォントです。
例えば、Shift_JIS コードテーブルには 7070文字があります。それらは次のように分類できます。
JIS X 0201 1バイト文字 (191文字、別名: 半角文字)
JIS X 0208 2バイト文字 (6879文字、別名: 全角文字)
2バイト文字は CJK 固定幅フォントを使うコンソールターミナル上で倍の幅を占めます。このような状況に対応するために、ファイル拡張子
".hbf
" を使う Hanzi
ビットマップフォント (HBF) ファイルが1バイトと2バイトの文字を含むフォントのために使えます。
TrueType フォントファイルのための空間を節約するために、ファイル拡張子
".ttc
" を持つ TrueType
フォントコレクションファイルを使う事ができます。
文字の複雑なコード空間をカバーするために、CID でキーされた PostScript
Type 1 フォントは "%!PS-Adobe-3.0 Resource-CMap
" で始まる CMap
ファイルとともに使われます。これは通常の X ディスプレーではほとんど使われませんが PDF のレンダリング等では使われます (「X ユーティリティーアプリケーション」参照下さい)。
基本的なオフィスアプリケーションのリストを記します (LO は LibreOffice)。
表7.8 基本的な X オフィスアプリケーションのリスト
パッケージ | ポプコン | パッケージサイズ | タイプ | 説明 |
---|---|---|---|---|
libreoffice-writer
|
V:318, I:478 | 31712 | LO | ワードプロセッサ |
libreoffice-calc
|
V:315, I:473 | 29409 | LO | スプレッドシート |
libreoffice-impress
|
V:312, I:469 | 4175 | LO | プレゼンテーション |
libreoffice-base
|
V:297, I:445 | 9211 | LO | データーベース管理 |
libreoffice-draw
|
V:313, I:470 | 9960 | LO | ベクトル画像エディター (ドロー) |
libreoffice-math
|
V:315, I:475 | 1469 | LO | 数式エディター |
abiword
|
V:3, I:14 | 5074 | GNOME | ワードプロセッサ |
gnumeric
|
V:13, I:25 | 9758 | GNOME | スプレッドシート |
gimp
|
V:85, I:489 | 19016 | GTK | ビットマップ画像エディター (ペイント) |
inkscape
|
V:129, I:332 | 78502 | GNOME | ベクトル画像エディター (ドロー) |
dia
|
V:18, I:37 | 3824 | GTK | フローチャートやダイアグラムエディター |
planner
|
V:3, I:7 | 1151 | GNOME | プロジェクト管理 |
calligrawords
|
V:1, I:8 | 5837 | KDE | ワードプロセッサ |
calligrasheets
|
V:0, I:6 | 11248 | KDE | スプレッドシート |
calligrastage
|
V:0, I:6 | 5064 | KDE | プレゼンテーション |
calligraplan
|
V:0, I:6 | 15402 | KDE | プロジェクト管理 |
kexi
|
V:0, I:6 | 7547 | KDE | データーベース管理 |
karbon
|
V:1, I:7 | 4318 | KDE | ベクトル画像エディター (ドロー) |
著者の目に止まった基本的ユーティリティーアプリケーションのリストを記します。
表7.9 基本的 X ユーティリティーアプリケーションのリスト
パッケージ | ポプコン | パッケージサイズ | タイプ | 説明 |
---|---|---|---|---|
evince
|
V:170, I:405 | 936 | GNOME | 文書 (pdf) ビューワー |
okular
|
V:69, I:122 | 13136 | KDE | 文書 (pdf) ビューワー |
calibre
|
V:8, I:39 | 51670 | KDE | e-book コンバーターとライブラリーの管理 |
fbreader
|
V:2, I:18 | 3030 | GTK | e-book リーダー |
evolution
|
V:40, I:265 | 449 | GNOME | 個人情報管理 (グループウエアと電子メール) |
kontact
|
V:2, I:19 | 2071 | KDE | 個人情報管理 (グループウエアと電子メール) |
scribus
|
V:3, I:28 | 19995 | KDE | デスクトップページレイアウトエディター |
glabels
|
V:0, I:4 | 1417 | GNOME | ラベルエディター |
gnucash
|
V:3, I:13 | 22199 | GNOME | 個人会計 |
homebank
|
V:0, I:3 | 949 | GTK | 個人会計 |
kmymoney
|
V:0, I:3 | 12975 | KDE | 個人会計 |
shotwell
|
V:20, I:224 | 6096 | GTK | デジタル写真オーガナイザー |
xsane
|
V:19, I:190 | 935 | GTK | スキャナーのフロントエンド |
![]() |
注意 |
---|---|
|
![]() |
注記 |
---|---|
|
3つのマウスボタンを使ってのX選択はXの本来のクリップボード機能です(「Unix 流のマウス操作」参照)。
![]() |
ヒント |
---|---|
Shift-Insert は真ん中のマウスボタンのクリックと同等の動作をします。 |
最近のデスクトップ環境 (GNOME, KDE, …) は、左のマウスボタンとキー(CTRL-X と CRTL-C と CTRL-V) を使った、カット、コピー、ペーストのための別個のクリップボードシステムを提供します。
xmodmap(1)
は X Window システム中でのキーマップとポインターボタンのマッピングのためのユーティリティーです。keycode を知るには、X 環境下で
xev(1)
を実行してキーを押さえます。keysym
の意味を知るには、"/usr/include/X11/keysymdef.h
" ファイル
(x11proto-core-dev
パッケージ) 中の MACRO 定義を覗いて下さい。このファイル中の全ての
"#define
" 文は keysym 名に
"XK_
" を前付けして名づけられています。
xterm(1) のような多くの伝統的 X クライアントプログラムは、ジオメトリやフォントや表示を規定する標準化されたコマンドラインオプションの組み合わせを使って起動できます。
それらはその見栄えを設定するのに X リソースデーターベースも用います。X リソースのシステム全体のデフォールトは
"/etc/X11/Xresources/*
" の中に保存されており、それらのアプリケーションのデフォールトは
"/etc/X11/app-defaults/*
"
の中に保存されています。これらの設定をスタート点として使います。
"~/.Xresources
"
ファイルはユーザーのリソース規定を保存するために使われます。ログイン時にこのファイルは自動的にデフォールトの X
リソースに合流されます。この設定変更をしてすぐ有効にするには、それを次のコマンドを使ってデーターベースに合流させます。
$ xrdb -merge ~/.Xresources
x(7) と xrdb(1) を参照下さい。
xterm(1) に関することは、http://dickey.his.com/xterm/xterm.faq.html で学びます。
![]() |
警告 |
---|---|
|
例えば "foo
" 等の特定の X クライアントを root として実行する最も簡単な方法は次に記すように
sudo(8)
を使うことです。
$ sudo foo &
$ sudo -s # foo &
$ ssh -X root@localhost # foo &
![]() |
注意 |
---|---|
この目的だけのために上記のように ssh(1) を使うことはリソースの無駄遣いです。 |
X クライアントが X サーバーに接続するためには次のことに注意下さい。
元のユーザーの "$XAUTHORITY
" と "$DISPLAY
"
環境変数の値は新たなユーザーの環境変数値にコピーされなければいけません。
"$XAUTHORITY
" 環境変数の値で指示されるファイルが新たなユーザーによって読めなければいけません。